甘みとしっかりとした旨みが魅力
フランスでは、ホワイトアスパラガスは春を告げる野菜。12月の早い時期から3月頃まで収穫できる「白い果実」は、まさに季節を先取りして春の味覚を楽しんでいただける食材です。特に12月や1月などの早い時期だと、フレッシュな国産ホワイトアスパラに驚くお客さまも多いですね。「岩手の浄法寺で作られているんです」と話すとさらに驚かれて、それをきっかけにお客さまとの会話が弾むこともありました。
食べてみての感想は、何より甘みが強い。そして香りも高く、全体的にしっかりとした旨みが感じられました。輸入ものなどだと皮が固いものも多いのですが、「白い果実」は皮も柔らか。筋張っていないので、素揚げして食感と味のアクセントとして添えてみたりも。ロスなく食材を使い切れるのも、飲食店としてはうれしいポイントですね。
茹でた「白い果実」をオーブンで軽く焦げ目がつくまで焼いた「ホワイトアスパラガスのグリル」は、酸味をきかせたオランデーズソースで。上に添えられているのは素揚げした皮。グリルすることで、ぎゅっと凝縮した甘みが味わえる
素材本来の持ち味を生かすメニューに
素材本来の旨みや甘さを味わえるグリルには、「白い果実」の甘さをより引き立てるよう、少し酸味を強くしたオランデーズソースを添えて。噛んだ瞬間にアスパラのジュースがあふれ、甘みとかすかな苦みが口の中に広がります。シンプルな調理法ながら、甘くてジューシーな「白い果実」の実力が堪能できる一皿です。
もともとの旨みが強いため、茹で汁にもいい風味が溶け出します。茹でたアスパラに少量の玉ねぎとジャガイモを加えてミキサーにかけ、茹で汁と牛乳でのばした冷製スープは、「白い果実」の甘みと香りが際立つ一押しのメニューです。
またクセがなく軽やかな味わいなので、肉はもちろん魚のソースにしても。真っ白で美しいソースは料理を引き立てますし、ほかの食材と合わせてもきれいに発色するので、各種ソースのベースとしても活用できると思います。
ボン・クラージュ (Bon courage)
気軽にワインとフレンチが楽しめるビストロスタイルのお店。地元・岩手の食材を積極的に取り入れた、「明日も食べたくなる」メニューとカジュアルな雰囲気が人気。フランス・ルイイに姉妹店のホテル&レストラン「LES 3 CEPAGES」がある
岩手県盛岡市開運橋通1-41
TEL 019-681-3434
日曜定休