私たちは、先人たちから受け継いだ、生命、文化、風土を未来につなぎます
私たちは、生活と農をつなぎ、人生をより豊かにします
私たちは関わる人すべてに感謝し、共に育ち合い、社会に貢献します
食の危機は生命の危機
私たちの住んでいる北岩手には飢えに苦しんだ歴史があります。それはつい100年ほど前のことになります。
やませの影響で冷害が頻発し、米がとれず、稗や粟のたくさん入ったボロボロのご飯を食べていたそうです。白米をいっぱいに食べることはとても贅沢なことだったと私の祖母は言います。
「息子や孫の世代にそんなひもじい思いをさせたくない」「より豊かな食を未来につなぐ」という思いがあったからからこそ、私たちは毎日ご飯を不自由することなくいただくことができています。
戦後の日本は高度経済成長に伴い、農業もいろんな形で変化してきました。
農薬や化学肥料の使用が増えました。
季節感のない野菜がスーパーに並び、いつでもどこでも買えるようになりました。
日持ちや利便性を追求した結果、添加物の入った食品が増えました。
早く安くを追求した結果、動物は本来の健康的な成長に反し、人間の都合で生育されるようになりました。
今現在みんなが当たり前に消費していることが、その当たり前を考えなおさなければならいなのではないかと思います。
食べる人本意
私たちは食べる人本意の食を届けていきたいと思っています。
私たちが考える食べる人本意の食とは、「自分が本当に食べたいと思うもの」です。
それは私たちのすべての行動規範となっています。
私たちは食べる人本意を5つ定義にまとめています。
美味しさ:味と食事の環境が作りだす美味しさ
安心・安全:作り手の背景が見え、余計な添加物が入っていない
環境に優しく:環境への負荷が少ない、資源の循環、他の生態系との共存
動物に優しく:人の都合で動物をコントロールしない、
人に優しく:関わる人すべてが幸せである。(3方よし)社会的弱者も活かされる
私たちは「食べる人本意」をこのように定義し、サプライチェーン全体(生産から加工・流通まで)で共有し、未来につなぐことで、子供や孫、そのまた次の世代まで、安心して暮らすことのできる住み良い社会をつくりたいと思っています。
それが先人たちから私たちに託されたバトンであり、私たちの使命だと思っています。
私が今述べたことは、過去を否定している話ではありません。先人たちにはとても感謝しています。過去と現在では社会的環境が大きく変化しています。
これは1年や2年ですぐに変われることではありません。何十年とかけて、地道に一つずつ変えていくことが必要になると思います。
いつか食べる人本意の食材で満たされる社会を実現するために、私たちは、関わるすべての人(家族・社員・パートナー・お客様・社会・株主など)と実現に向け、共に成長していきたいと思っています。
身土不二
身土不二とは、身と土は切っても切り離せない関係という意味があります。
植物の成長には、炭水化物・アミノ酸・ミネラルが必要です。植物は根から土からその栄養分を吸収し、葉っぱでは光合成をし、炭水化物を作ります。私たちの体にとっても炭水化物やアミノ酸・ミネラルは重要な役割をしています。
人は穀物や野菜、肉を食べ、自分たちの体を維持させています。つまり、人の体と土は繋がっているのです。
そういう観点から食を考えた時、土づくりが自分たちの体に影響を及ぼしていることに私たちは気が付きました。
現在、成人の60%が平均食事摂取量(ADI)を達成しておらず、45%がマグネシウム欠乏症であると推定されています。野菜の栄養価は祖父母の時代の5分の1になっているという研究データもあります。それは農薬や化学肥料の使用により、本来土が持っていた力(地力)が低下したことが原因の一つとしてあげられてます。
だからこそ私たちは土づくりについて研究し、素材から人の身体にとって良い農業を追求します。
医食同源
誰一人取り残さない世界への挑戦〜人を活かす経営の実践〜