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COLUMN 馬場園芸コラム

「カボチャは奥が深い」

いつも三右エ門の商品をご愛顧いただきありがとうございます。

1ヶ月前までの猛暑が嘘のような寒さがきていますが、風邪など引いていないでしょうか?

4年前から作付けをおこなっているカボチャですが、年を重ねるごとに、良いカボチャを収穫できるようになり、技術がついてきたことを実感します。
カボチャは家庭菜園でも、ほったらかしておいても収穫できるので、栽培はさほど難しくないと思っていました。
しかし、いざ、大規模に生産を行なってみるとかなり奥が深い。種まきの時期が2週間ずれると収穫できるカボチャの質も変わります。

一つの畑に何千株とカボチャを植えた時、病気をつけずに、育てることの難しさを実感しています。

私たちは、子供からお年寄りまで、皮まで安心して食べていただけるカボチャをつくため、農薬を使わずに、栽培を行なっています。
これは、簡単なことではありません。農薬を使うと、病気は治すことができたり、予防することができたりしますが、使わないとなると、いかに健康に育つための環境を作ることしかできません。
結果たどり着くのは、「土づくり」です。

土と体はつながっていると改めて思うことがありました。

最近、『腸が9割』という本を読みました。腸は第二の脳と呼ばれており、腸内環境が心にまで、影響及ぼしているということが近年の研究で明らかになってきたそうです。

私たちの腸の中には、たくさんの善玉菌・悪玉菌などと言われる微生物が住んでいます。
口から入ってきた食べ物を微生物の力で分解し、腸が吸収します。

土の中でも同じことが起きています。土の中の有機物を微生物が分解し、植物は根っこから吸収します。
化学肥料や農薬は土の中の微生物の数を減らす作用があり、土の中の環境を悪くします。
微生物がいなくなった土は固くなり、水はけも悪くなり、病気が発生しやすい環境になります。
結果、化学肥料がないと植物は育たなくなり、農薬がないと育てられないという悪循環に入っていきます。

私たちが行っているのはその逆です。微生物が増えて、過ごしやすい環境を作るために、微生物の餌となる有機物(堆肥や緑肥)を入れ、農薬を使わず生産しています。
結果として、土はフカフカになり、排水性もよく、水もちも良い環境になります。

結果、健康にカボチャが育ち、美味しいカボチャになります。

美味しいカボチャを作るためには、もちろんそれだけではありませんが、欠かすことができない重要な要素の一つです。

「喉が詰まるくらいホクホクしたカボチャが欲しい」
お客様からこのような要望をいただきました。

今販売している「ダークホース」と「雪化粧」はその期待に添える美味しいカボチャです。
果肉をすりおろして糖度を計測してみると、すでに13度ありました。
カボチャは時間とともに追熟され、糖度が増していきます。

水で茹でただけなのに、栗のようなホクホク感があります。冷蔵庫で一晩おいていてもホクホクが失われるはありません。
常温で日持ちするのもカボチャの良いです。

この地域では、冬至に食べるカボチャとして「雪化粧」という品種を家庭菜園で育てることが多いです。
非常に貯蔵性が高い品種で、5〜10度の環境に置いておくと、2月頃まで貯蔵することができます。
野菜が不足しがちな冬には貴重な存在です。

まだまだ奥が深そうなカボチャの世界。
来年はアレとコレを改善してみようと考えながら、ワクワクしています。

日に日に寒さが増して、本格的な冬の訪れも間近です。
旬の食材(秋の味覚)を楽しんで、たっぷり栄養を溜め込んで、冬に備えましょう!

三右エ門 馬場 淳