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COLUMN 馬場園芸コラム

ホワイトアスパラガス『白い果実』の出荷準備が始まりました

いつも三右エ門の商品をご愛顧いただきありがとうございます。
つい最近までの暑さが嘘のように、日に日に冬が近づいてくるのを感じます。浄法寺町でも初雪が降りました。ただ、例年の11月の寒さとは少し違うような気がします。

例年、11月に入ると強い霜が朝降りるようになるのですが、今年は、朝の厳しい冷え込みが少ないです。氷点下3度まで冷え込んだのはまだ1回。いつもに比べると少ない気がします。

3回の霜が降りるのを待て

弊社の冬といえば、ホワイトアスパラガス「白い果実」です。まるで果実のような甘さと、みずみずしさが特徴です。

アスパラガスといえば、春〜夏が旬だと想像する方も多いかと思いますが、弊社で栽培する「白い果実」は冬に収穫するので、なぜ冬に採れるのかと疑問に思う方もいると思います。

それは、アスパラガスの特性を活かしているから、冬に収穫ができるのです。

アスパラガスは、秋になり、平均気温が15度を下回ると「眠り」に入り、新しい芽が出なくなります。夏の間葉っぱで蓄えた養分を根っこに移動させ、来年の春に出る準備をするのです。

では、なぜ冬に収穫できるかというと、「眠り」から覚める条件に秘密があります。

アスパラガスが、8度以下の低温に300時間、5度以下に90時間遭遇すると、眠りから目を覚ますという特徴があります。なので、岩手県北部にある浄法寺町は、本州でも冬が来るのが早いので、いち早く、眠りから目が覚めるので、冬に収穫ができるのです。

眠りから目覚めたアスパラガスの根っこを掘り上げ、ビニールハウスの中に移動させ、温度をかけることで、春だと勘違いし、アスパラガスが生えてきます。これが、私たちが行なっている伏せ込み栽培です。

しかし、温暖化の影響で、冬の厳しい寒さの訪れが年々遅くなってきています。

10年ほど前は11月の1週目には、目覚める条件に達していました。しかし、現在は、11月の3週目頃にならないと低温の積算に達しません。

先輩農家からは、「強い霜に3回あてろ」と言われましたが、確かに、霜が3回降りる時期と目覚める時期は同じくらいになります。先輩農家の体で自然を感じる力はすごいです。

焦って早く掘り取るのは、良くありません。
強い寒さ(私の中では−3度以下で、霜柱がしっかり立つほどの寒さ)にあたらないで掘り取られたアスパラガスは、細いものが多く、収量も取れません。しっかりと寒さにあてることが重要なポイントです。

焦る気持ちを堪えて、ようやく11月17日から掘り取りをスタートさせました。
これまでで最も遅い掘り取りのスタートです。

今年のホワイトアスパラガス「白い果実」の出荷開始予定は、1月10日です。

三右エ門オンラインショップ、ふるさと納税サイトにて、今期のホワイトアスパラガス「白い果実」のご予約もスタートしております。
一年に1度の特別な美味しさをぜひご賞味ください。

年末に近づき、さらにお忙しくなる時期かと思われますが、くれぐれもご自愛ください。

三右エ門 馬場 淳 拝

アスパラガスの伏せ込み作業
アスパラの根っこ
 とりたてのアスパラガスは水が滴るほどみずみずしい