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COLUMN 馬場園芸コラム

春、命をつなぐ種まき

雪に覆われた田んぼも畦道が顔を出し始め、いよいよ農作業開始間近となりました。あたたかい日が続いていて、お彼岸頃には雪はすべて消えそうです。

弊社では、お米の苗を近隣の農家から委託を受けて生産販売する事業を行なっています。この時期になるとお客様から一斉に連絡が来始め、「今年は何の品種を何枚お願いします」といった電話が次々とかかってきます。いよいよ今シーズンが始まるなという気持ちに、ワクワクと緊張感があります。

今シーズンの種まきが着々と始まっています。1月はホワイトアスパラの種まき。2月は促成栽培のカボチャの種まき。4月は米の種まき。当たり前ですが、すべての作物は「種まき」があるから収穫があります。事業も同じです。今年新たに挑戦する「種まき」をいろいろしています。その中の一つをご紹介します。

日本ミツバチの養蜂に挑戦

きっかけは、青森県の有機農業家との出会いでした。「ミツバチを飼うことで、環境に対する見え方が変わった」と聞き、すぐに会いに行き、農場を見学させていただきました。

養蜂など今まで全くやろうと思ったことがなかったので、私にとってはものすごくハードルが高いものでした。しかし、話を聞くとそこまで難しくなく(ただ奥はかなり深い・・・)始められそうでした。

蜂を購入しなければならないのかと思っていたら、日本ミツバチは自然にいるものが巣箱に住み着くのだそうです。カボチャの畑に巣箱を設置し、カボチャのハチミツを採取してみようと思っています。

「ミツバチの気持ちになって考えることが一番大切」だと教わりました。「ミツバチがして欲しいことをしてあげなさい」という言葉が特に印象に残っています。これはすべてのことに通じるなと思いました。

私も栽培の中で、植物の根っこの気持ちになって考えます。根がのびのびと地中深く伸びていき、土壌中にある肥料分を吸収し、微生物たちが根っこにミネラルを届けていくイメージ。様々な命の交流があってこそ、豊かな農業が実現するのだと感じています。何度も足を運び、観察し、相手の求めていることをしてあげること。蜂を飼うのも、作物を育てるのも『愛情』がとても大切だと改めて実感しました。

自然の循環の中で育まれる作物やミツバチの活動を大切にしながら、今年も美味しいものをお届けできるよう努力していきます。それでは、春の訪れを感じながら、素敵な日々をお過ごしください。